19世紀後半−20世紀前半/グワッシュ、カンヴァス
169.5×76.7cm
SUMMARY作品解説
《伊達男》(東京富士美術館蔵)とマチエールや印象が近く、対もしくは連作のように描かれた作品。モデルの女性は、頭にリボンをつけ、19世紀末頃から女性の定番の装いとなった「テーラード・スーツ」を身にまとっている。ジャケットは、1890年代以降に流行をみた肩に膨らみをもたせた特徴的なフォルムをしている。背景には多くの画家がモティーフとしてきた広告塔が見える。広告塔近くには傘を差している男性がおり、すでに雨が降り始めていることを窺わせ、女性もまさに傘を広げようとしている。こうした当時の何気ない日常は、風刺画などもよく手がけたフォランらしい主題といえる。
ARTIST作家解説
ジャン=ルイ・フォラン
Jean-Louis Forain1852-1931
画家兼室内装飾家の息子として、フランス北部のランスに生まれる。パリに出て短期間、エコール・デ・ボザールでジャン=レオン・ジェロームとジャン=バティスト・カルポーに師事した。素描家やコラムニストとして、さまざまな出版物を共同で出版し、風刺画的な描写で、その時代の社会を表すイメージを作品にした。エドゥアール・マネやエドガー・ドガ、印象派の画家たちとの関係が近く、パステル画、グァッシュを用いた水彩画、油彩画、幅広い技法、痛烈な作風、主題の選択などに彼らの存在が影響を与えたとみられる。
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