《プールヴィルの断崖》
Seashore and Cliffs of Pourville in the Morning
1882年
油彩、カンヴァス
59.0×71.0cm
明るい太陽の光に照射された空、海、切り立った断崖。まばゆいばかりの光の乱舞に、刻々と変容する自然の諸相。移ろいゆく色彩の戯れを短いタッチの積み重ねの上に記録したこの作品は、モネの絵画制作の真髄を魅せる。従来の固有色という色彩の観念を捨てて、自分の眼に見える通りの色をカンヴァスの上に置いてゆく方法は、印象派の画家たちによる全く新しい描き方であった。この年の夏、モネはこの海岸を集中的に描いている。

モネ、クロード
MONET, Claude
(1840-1926)
フランスの画家。印象派の代表的画家。1872年に制作した《印象—日の出》は、第1回印象派展(1874年)に出品され、このグループの名称の由来となった。1883年、ジヴェルニーに移住。《積み藁》《ルーアン大聖堂》などのシリーズによって、自然の対象が時間や季節の推移につれて変化する一瞬の様子を捉えた作品を次々と発表。特に晩年、自邸の睡蓮の池を描き続け、対象の形態を超えて光の変幻の色彩化を試みた連作は、つとに有名である。
